最近、Googleから展開された Antigravity という開発ツールが面白いらしい。早速遊んでみたので記事にしてみました。
使い方次第ですが、単なるコード補完ツールと思いきや、実はかなり遊べるツールなんです。まずは、基本的な設定からやっていきましょうか。
(そんなんいらないって?まぁそう言わずに、まぁまぁ初心者向けに小説の執筆方法もまとめてありますので…)
Antigravityって何?
AntigravityはGoogleが開発したAIコーディングエージェントです。見た目はVSCodeそのもの。でも中身はGeminiやClaudeが動いていて、かなり賢い。

コーディング用途はもちろんですが、実は小説執筆やロールプレイ、画像生成連携など、クリエイティブな用途にも使えてしまうんですね。
しかも、Google One AI Pro課金(月額2,900円)でGeminiもClaudeも両方使えます。1か月無料や、半額キャンペーンもあり、それらを利用すればお得感がすごいです。
インストール
公式サイト antigravity.google からダウンロードできます。Windows / Mac / Linux対応。
インストール自体は普通のアプリと同じで、ダウンロードして実行するだけ。Googleアカウントでログインすれば準備完了です。
右側のAgentパネル(チャット欄)もログイン直後から使えます。モデルを選んですぐに会話スタート!
まずは日本語化しよう
インストール直後は英語表示なので、日本語化しておきましょう。
すべて日本語になるわけではないので気休めかもしれませんが。
- 左サイドバーの拡張機能アイコン(ブロックが4つ並んだやつ)をクリック
- 検索欄に「Japanese」と入力
- 「Japanese Language Pack for Visual Studio Code」をインストール
- 再起動

これで日本語になります。地味だけど大事なステップですね。
早速使ってみよう
Google Antigravityを立ち上げます。

右側のAgentパネルでモデルを選択できます。

とりあえずGemini 3 Flashがお手頃なので、ここから始めると良さそうです。軽くて速い!
ここで、planningを選択されている状態で以下のプロンプトを入力してみましょう。
愛と勇気と正義のちょっと官能で甘酸っぱい小説を3000文字で執筆できますか。起承転結を考えて。
登場人物は、探偵少女のアスカと、おっちょこちょいな怪盗少年シンジです。
これで「→」ボタンを押下!

すると、このような画面が表示されます。なんと、計画(Plan)を提示してくるんです!
起承転結のプロット、登場人物の設定、執筆方針まで自動で考えてくれる。気に入らなければ「Review」から指摘もできますが、正直レベルが高いので、このままOKで進めちゃいましょう。
「OKです。」って渡すだけで、一気に書き上げてくれます。

こちらが出力された本文全体です。(改行位置を買えたくらいで、無加工です)
月下の交錯:探偵アスカと怪盗シンジ
【起】
深い群青色に染まった夜。都心の喧騒を離れた国立美術館の天窓から、一筋の月光が降り注いでいた。 展示室の中央、厳重なレーザー防護網に守られた台座の上には、時価数億円とも称される幻の宝石「人魚の涙」が青白い光を帯びて鎮座している。
「……そろそろね」
展示室の隅、彫像の影に潜んでいた少女――アスカは、愛用のスマートウォッチを確認しながら呟いた。 燃えるような赤のライダーススーツに身を包み、ポニーテールにまとめた栗色の髪が意志の強さを物語っている。十七歳という若さながら、数々の迷宮入り事件を解決してきた彼女は、ある一人の「獲物」が今夜ここに現れることを確信していた。
一分、二分。張り詰めた沈黙を破ったのは、天窓から舞い降りた一羽の黒い鳥――ではなく、真っ白なマントを翻した少年だった。
「お待たせ、親愛なる名探偵。今宵も月が美しいね」
キザな台詞と共に着地を決める……かと思いきや、マントの裾がアンティーク調の植木鉢に引っかかった。
「わ、わ、わっ、おっとと!」
怪盗シンジは、情けなく両手を振り回しながら、アスカの目の前で盛大に躓いて転がった。シルクハットが床を転がり、そこから少年らしい癖のある黒髪が覗く。
「……相変わらずね、シンジ。予告状の格好良さはどこへ行ったのかしら?」
アスカは呆れたように腰に手を当て、地面に這いつくばっているライバルを見下ろした。
「ははは……これも僕の高度な計算のうち……なんてね」
シンジは照れ隠しに頬を掻きながら起き上がり、シルクハットを被り直した。不敵な笑みを浮かべるが、その瞳には少年特有の茶目っ気が宿っている。
「宝石は貰っていくよ、アスカ。君の心と一緒にね」
「そんな退屈な台詞、聞き飽きたわ。大人しくお縄につきなさい!」
【承】
アスカが踏み込み、シンジが鮮やかな身のこなしでそれをかわす。 しかし、シンジが「人魚の涙」に手をかけた瞬間、美術館中に不協和音のような警報が鳴り響いた。
「なに!? 警報は解除したはず……」
「待って、シンジ! 足元っ!」
アスカの叫びも虚しく、床が急激に傾き、二人は暗闇へと飲み込まれた。
ドスン、という鈍い衝撃。 二人が落ちたのは、展示室の真下に位置する廃棄物用、あるいは緊急避難用のダストシュートだった。しかも、運悪くその先は古いメンテナンス用の通路に繋がっており、分厚い鋼鉄のシャッターが背後で閉まってしまった。
狭い、あまりにも。 わずか一メートル四方あるかないかの空間に、アスカとシンジは折り重なるようにして閉じ込められた。
「……痛たた。アスカ、大丈夫?」 「大丈夫なわけないでしょ! このお馬鹿怪盗! どいてよ、重いわ」
アスカは怒鳴ろうとしたが、至近距離にあるシンジの顔を見て言葉を失った。 暗闇の中、シンジの白いシャツの襟元がはだけ、そこから熱を帯びた肌が見えている。激しく動いたせいか、彼の荒い呼吸がアスカの首筋を撫でた。
「……狭すぎて動けないんだ。ごめん」
シンジの声が、いつもより低く、耳元で響く。 アスカは、自分以上にシンジが緊張しているのを肌で感じた。密着した胸元から、彼の心臓が早鐘を打っているのが伝わってくる。
「……ねえ、何これ。いい匂いがする」
シンジが不意に、アスカのうなじに鼻を寄せた。
「ちょ、ちょっと! 何してるのよ!」
「バニラ……ううん、少しだけスパイシーな、大人っぽい香水。アスカ、今日は気合い入ってたんだ?」
「うるさい! 捜査の一環よ!」
アスカは顔が赤くなるのを感じた。シンジの指先が、偶然か、それとも計算か、彼女の腰に回される。薄いライダーススーツ越しに、彼の指の体温がジリジリと染み込んでくる。 普段は追いかけ、追いかけられる関係。だが今、この密室では、二人の境界線が曖昧になっていく。
「……アスカ。君とこんな風に密着するなんて、夢にも思わなかったよ」 「……冗談言わないで。私はあんたを捕まえることしか考えてないわ」
強がりとは裏腹に、アスカの指先は震えていた。シンジの長い睫毛が、彼女の頬をかすめる。思わず目を閉じると、彼の柔らかな唇が、ほんの数ミリ先にあるような気がした。甘酸っぱい、禁断の果実のような予感が、二人の間に満ちていく。
【転】
その時だった。通路の壁越しに、乱暴な話し声と靴音が聞こえてきた。
「宝石の反応は消えたか。……構わん、あのガキ共もろとも、この美術館ごと焼き払え。人魚の涙に保険金、二重に儲かるというものだ」
冷酷な声の主は、この美術館のオーナー、九条だった。彼は慈善事業の裏で、最新兵器の密売を行っている極悪人だという噂があった。
「保険金詐欺……。あいつ、正義の皮を被った化け物だったのね」
アスカの瞳に、探偵としての鋭い光が戻った。 シンジもまた、真剣な表情で頷く。
「……宝石を盗むのは僕の仕事だけど、命を弄ぶ悪党を見過ごすほど、僕は落ちぶれてないよ」
シンジは腰のベルトから、小さなニクロム線式のカッターを取り出した。
「アスカ、作戦がある。君の推理能力と、僕の小細工。どちらが欠けても、この危機は脱出できない」
「……いいわ。今回だけよ、シンジ。共闘してあげる。でも、逃げ出したら承知しないから!」
「約束するよ、僕の名探偵」
二人は息を合わせ、狭い空間で力を合わせた。アスカの指示で、シンジが扉の最も脆弱な電子回路にカッターを通す。 火花が散り、シャッターがわずかに浮いた瞬間、二人は同時に蹴りを入れた。
「「今だっ!!」」
飛び出した先には、武装した男たちが待ち構えていた。 アスカは近くの消火器を奪い取り、煙幕を張る。その隙にシンジがワイヤーを飛ばし、天井のライトを落とした。 暗闇の中で踊るように動く二人。 アスカの鮮やかな回し蹴りがオーナーの銃を弾き飛ばし、シンジのトランプ銃が隠しスイッチを撃ち抜いて、悪党たちを自慢の檻へと閉じ込めた。
「正義の鉄槌、受け取ったかしら!」
「勇気ある怪盗の、特等席へようこそ」
勝利の瞬間に、二人はハイタッチを交わした。一瞬だけ触れ合った掌の熱さが、先ほどの密室の記憶を呼び覚まさせ、二人は気恥ずかしそうに視線を逸らした。
【結】
夜明けの光が、東の空から差し込み始めた。 美術館の庭園で、パトカーのサイレンが遠くから聞こえてくる。
「さて、僕の仕事はここまでかな」
シンジの手には、いつの間にか「人魚の涙」が握られていた。
「待ちなさい、シンジ! その宝石は……」
「返しておくよ。……君の正義に相応しいのは、盗まれた宝石じゃない。真実だろう?」
シンジは宝石を、アスカの掌にそっと置いた。 指先が重なった瞬間、彼はアスカの耳元で囁いた。
「……バニラの香水の君も、正義に燃える君も、どっちも素敵だったよ」
アスカが言い返す前に、シンジは庭の噴水の上でマントを広げた。
「おい、待て! シンジっ!」
「あ、わわわっ!」
最後にかっこよく飛び去るはずが、彼は噴水の縁に足を滑らせ、派手な水しぶきを上げて池に落ちた。
「……もう、本当におっちょこちょいなんだから」
びしょ濡れになりながらも「じゃあね!」と手を振って、彼は夜霧の中に消えていった。
手の中には、冷たく輝く「人魚の涙」。 そして、胸の奥には、彼に触れられた場所に残る、甘酸っぱくて少しだけ官能的な熱。
「……次は、必ず捕まえるんだから」
アスカは、誰にも聞こえない声で独り言を漏らした。 朝焼けに染まる彼女の頬は、先ほどまでの激闘とは別の理由で、いつまでも赤く色づいていた。
ツッコミどころ満載ですが、初手でもかなり面白い作品ができたのではないでしょうか。
小説家がAIに喰われるって言われてしまう所以ですかね…。
やばいです。
Antigravity Quota(AGQ)で使用量をチェック
Antigravityには AGQ(Antigravity Quota) という機能があります。各モデルの使用量と、リセット時間がひと目で分かるツールです。

モデルごとに使用率とリセット予定時刻が表示されます。「84%残っている」「あと2時間12分で回復」みたいな情報がパッと見れる。
ちなみに、ダークモードのほうがバーが見やすいかもしれません。明るいテーマだとちょっと分かりづらい場合も。
ステータスバー表示もおすすめ
AGQはステータスバー(画面下部)にも表示できます。

上記の一覧でチェックを点けたモデルのみ表示できますが、Claude Opus, Gemini 3 Pro, Gemini 3 Flashの3つを表示させていれば基本、問題ありません。
制限の仕組みを知っておこう
Antigravityには利用制限があります。無課金と課金で大きく違うので、把握しておきましょう。
| プラン | 制限リセット間隔 | 使える量 |
|---|---|---|
| 無課金 | 週1回 | すぐに上限に達してしまう |
| Google One AI Pro | 5時間ごと | かなり多く、5時間で使い切ることは少ない |
無課金だと、一度使い切ると1週間待たないといけません。課金すれば5時間で復活するので、ヘビーに使いたい人は課金がおすすめ。
ただし、制限はトークン量ではなく「タスク内容」で判定されているらしく、単純なチャットならあまり消費しない印象です。ファイル操作やコード生成を大量にやると消費が早い。
とりあえず、1か月無料お試ししてみると良いかもしれません。
まとめ
Antigravityは、一見するとただのコーディングツールですが、設定次第でかなり遊べます。
- インストール: 公式サイトからダウンロードしてログインするだけ
- 日本語化: 拡張機能で一発
- 小説執筆: Planningモードで起承転結まで考えてくれる
ちょっと複雑なツールですが、可能性を感じませんか?
コーディングだけじゃない、クリエイティブな遊び方がまだまだありそうです。


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